Novel:25 『薄曇りの世界の中で 序』

 その人に最初に会ったのは三歳の誕生日を迎えた時だった。

 十三月の初め、自分と同じ十三月の生まれのその人は、レイジャの名起こし儀のために祭典用の衣服を着て祭壇の上に立っていた。

 穏やかな笑みを浮かべた若い男。




 それが自分の‘祖父’なのだと教えられた。




終わり無き冒険へ!