黒翔「ハッピーハロウィン、って言えばいいのか?どーも、黒翔です」
ルーク「やぁ、初めまして。コクト、だね。僕はルーク」黒翔「パレットにルーク、か。まぁ、よろしく」
パレット「黒翔さん、はどこからいらしたんですか?」黒翔「おぉ。んじゃ改めて…。名前は黒翔、どっからってのは…アクマリカっつうシャオク大陸にある街から、になるのか?そこからで、職業っつう程じゃねぇけど相方と二人で盗賊やってる身」
パレット「え、盗賊?盗賊って…あの、盗む人?」黒翔「おう、金持ち連中から金巻き上げて生活してる。大声で言えたモンじゃねぇんだろうけど、毎日スリルあって面白いんだぜ?見た事もねぇ代物見つけられるしな」
ルーク「はは、楽しそうな職業だね」黒翔「普段生活してる小屋があんだけど、そこに挟まってたんだよな。俺らの場所に手紙が届くなんてありえねぇから何事かと思ったけど」
ルーク「君はこのパーティを楽しみにしてくれたのかな?」黒翔「周りにはパーティって柄じゃねぇって散々言われたけどな、割と楽しみにしてきたんだぜ?」
ルーク「ふふ、それは良かった!」黒翔「おうよ」
黒翔「あぁ、“ハロウィン”っつうのは知らなかったからこの手紙の意味も分からなかったんだけどな、俺の知り合い…?の奴がこのパーティの事知ってたらしくて。そいつからどういう祭りなのかっつうのは聞いたんだよ。なんでも遠くに住んでる知り合いの子がココに来た事あるんだと。毎年色んなとこに手紙いってんだな」
パレット「いつも沢山の人が来てくれてるものね」黒翔「コウライ?あー…そんな名前だったかもしんねぇ。やっぱ知ってんだな」
パレット「ふふ、なんだか知らないところでも繋がっているって不思議」黒翔「ホントにな」
ルーク「君のところにも、ハロウィンみたいなお祭りはあるのかい?」黒翔「ん、レイヤ祭っつう今頃にやる祭りがあんぜ。一週間かけて盛大に祝う生者と死者の祭り。ホントかどうかは分かんねぇけど、その期間には死んだ人が一時的に還ってくるんだと。さっき思ったんだけどよ、ここもランタンやら蝋燭やら多くねぇ?雰囲気少し似てるんだよな」
ルーク「うん、少し似てるな、って僕も思った」黒翔「来ればいいだろ、パレットなら歓迎するぜ」
パレット「ホント?じゃぁ、黒翔さん案内してね!」黒翔「特にコレっつう仮装じゃねぇんだけど、さっき言ったレイヤ祭のイメージで作ってる。色とか特にそうだな。あとは…“仮装って言うくらいなら普段絶対着ないような服を着てみろ”っつう知り合いの提案」
パレット「鎖が沢山ついてて凄ーい!格好いい!」黒翔「へへ、その辺は俺の提案だ。普段だったら鎖なんて邪魔臭くて付けねぇし縁起でもねぇし、こういう時くらいたまにはイイだろ。包帯もな、全部白じゃ面白くねぇ」
ルーク「そういえば、君にも耳がついてるんだね」黒翔「……………あ゛ー…コレは不本意だ、誰が好き好んでこんなの付け…(言いながら思わずルークの耳を凝視して口を噤む)」
ルーク「あぁ、気にしないでいいよ」黒翔「ん?あぁコレ。(目線の高さまで髑髏もどきを持ち上げて)本物でもなんでもねぇらしいよ、何で出来てんのかは知らねぇけど」
パレット「うぅ、どっちにしろ何か怪しそう…」黒翔「それも分かんねぇんだよな。元々はランタン代わりにって炎精霊住み着かせてたみたいなんだけどよ、ここに来る途中でいつの間にか違うのが住み着きやがってて。…俺にも見えるっつう事は精霊じゃねぇんだろうけど」
パレット「ハロウィンの不思議な魔法ね!」黒翔「別に知り合いは多い方じゃねぇけど、盗賊業やってる相方と行き付けの喫茶店の店長と、あとは…俺らを追ってる連中が何でか揃って案出したんだよ。実際に衣装も菓子も作ったのは喫茶店の店長な。こっちの骸骨はうちの相方だけど」
パレット「ふふ、敵も味方も忘れて一緒に夢中になれる…って素敵ね」黒翔「素敵…なんかねぇ(と言いつつ楽しそうに笑っている)」
黒翔「食い物飲み物も気になるけど、ちょっと悪戯っつうのが気になってんだよな。好きなだけやって良いんだろ?」
パレット「黒翔さんも悪戯とか…するんですか?想像できないっ」黒翔「そうか?人弄って遊ぶのは面白いと思ってるけど(ニヤリと笑って)ま、限度は超えねぇから安心しとけ」
パレット「た、多少覚悟はしておきます…」黒翔「ンなモンねぇよ、残念だったな」
パレット「お化けが出ても、黒翔さんなら一蹴しちゃいそう」黒翔「見えるか見えないか分かんねぇモンがうじゃうじゃ居る世界で生きてんだ、今更そんなの気にならねぇ。出てきたら…そうだな、一蹴してみっか」
ルーク「あは、きっとひとたまりもないね」黒翔「それなりに、どうぞよろしく」
出会えたから 友達になりたい