ルシカ「はじめまして! 君達があの招待状を送ったの? まさかこんなに豪華な会場にたどり着くとは思わなかったよ。こちらこそ、よろしくな」
ルーク「だったら第一のサプライズは成功かな」ルシカ「おー! 俺が一番乗りか…。一番てのは気分がいいね♪」
ルーク「皆にも紹介したいから、自己紹介をお願いできるかな」ルシカ「では改めて、はじめまして。エイドリエント・ルシカです。陽気で気楽なお国柄とか言われてちゃってる、レオール王国からやってきました。
あとはえーと…まだ学生なので、これと言って何か特色のある事は全然無いんだけど…」
ルシカ「え? 学校で悪戯とか!? いやいや、やんないよそんなの。…たまにしか。
宿題も…おおよそちゃんとやってるし、校則も守ってるし…たぶん、おそらく、まぁ、だいたい…だけど。うん、すごく良い学生だよ」
ルシカ「あー…、正直言うと何度かやらかして罰当番やらされたりとか…ここだけの話だぞ?」
ルシカ「俺が発見した時は、リビングの机の上に置いてあったんだけど、うちの使用人の話だと、普通にポストの中に入ってたって話だぞ。切手も消印もないのに…」
パレット「どんな風にしろ、怪しい代物には違いないわよね」ルシカ「うーん、俺も妹のユウリも、なぜかそんなに怪しいとは思わなかったけど…。親父は怪しがって、俺がここに来るのかなり心配してたな」
ルーク「ルシカには妹が居るんだね」ルシカ「うん。妹って言っても双子だから同い年なんだけどね。本当はユウリも一緒に来たがってたんだけど、参加人数は一人って書いてあったから、ここへはじゃんけんで勝った俺が来たってわけ」
パレット「じゃんけんで負けちゃったユウリちゃんには、悪いことしちゃったかしら」ルシカ「あー、確かに残念がってたけど、あいつはあいつで友達のパーティに行くとか言ってたし、まぁ、勝手に楽しんでるみたいだから、気にする程でもないと思うぜ」
パレット「そっか。楽しんでいるならよかった・・・」ルシカ「子供の頃は、ユウリと一緒に仮装してお菓子をもらいに走り回ったりしてたけど、最近は友達同士で集まってワイワイやったりして過ごす事が多いかな」
パレット「今回みたいなパーティは初めて?」ルシカ「そうだな…いつもパーティって言うと同い年くらいの気心の知れた友達同士の集まりだったから、こうやって出身地も年齢も様々な人達が集まってきて親睦を深めあうってのは初めてだな。どんな人と出会えるのか、とても楽しみだよ」
パレット「そうね・・・違う世界からって、普通はないわよね」ルシカ「ははは! カボチャの王様っていいね。実はちょっと意識してるんだ」
ルーク「うん、ルシカの上のそれ、王冠みたいに見えるよね」ルシカ「コレな! レオールの仮装衣装屋で発見したんだ。面白いだろ。実はただのベレー帽なんだけどね」
パレット「それに白い上着がきりっとしていて、高貴な雰囲気に見えるのよね」ルシカ「ああ、コレね…元がアレだからきりっとはしてるかもな」
ルーク「その衣装は自分達で作ったのかな?」ルシカ「実はコレ、ユウリが親父の軍服を一着拝借してきて改造して作ったんだ」
パレット「お父さんの服を改造しちゃったの!?しかも軍服って・・・それって大丈夫なのかしら・・・」ルシカ「バレたら怒られるだろうけど…まー、何とかなるだろ。あはは!」
パレット「そのグラスには何が入ってるの?」ルシカ「ああ、コレ?」
ルーク「ん、この甘い香りは・・・」ルシカ「コレは親父特製のカボチャジュースなんだ。本当はレオール特産のスパークリングワインでも持ってこようと思ってたんだけど、親父にバレちゃって、代わりにこんなモノを持たされる羽目になったんだ…。でも、コレも意外とイケるぜ。一口どう? 激甘だけど…」
パレット「わーい、有難う!おいしそうv」ルシカ「うん。お菓子は結構好きだぜ。たまに学校にもこっそり持って行ったりとか…。
お菓子があるとそれだけで楽しい雰囲気になるよな」
ルシカ「ははは。今までやってきた悪戯は数知れず…って感じかな。特に親父に仕掛けるのが面白くて…あいつ引っ掛かりやすいんだよ。よくユウリと一緒にいろいろやらかしたよ」
パレット「あら・・・ルシカのお父さんって親しみ易そうね」ルシカ「あれ? ルークは兄弟いないの?」
ルーク「沢山居るよ、兄さん達がね。だから実体験としてそう思ったのさ」ルシカ「俺、見えた試しがないからお化けはいないと思ってる…」
ルーク「パレットは怖いんだよね」ルシカ「アレは空想の産物なんじゃないかな。実際にいたら面白いとは思うけど」
ルーク「そう。だったら今回のパーティは楽しめるかもね!ふふ」ルシカ「みんな、パーティではよろしくな! 誰かこっそり一緒に酒飲んでくれないかなぁ…?」
出会えたから 友達になりたい