- アンデッドモンスター
アンデッドモンスター ―― 通常は単にアンデッドとも言う ―― は、文字通り"死なない怪物"の総称だね。この話に登場する人間以外の者達は、殆どがこのグループに属している。
アンデッドはさらに大きく二つのグループに分けられる。生まれた時からアンデッドである遺伝系と、アンデッドではない肉体が一度死を迎えた後、甦ってアンデッドとなる蘇生系、の二つ。アレックスが前者、フェイズは後者。
アンデッドが死なない理由・・・それは"呪い"のせいだ。アンデッドは"死ねない呪い"を生まれたときからかけられているようなものなんだ。特に蘇生系は強い呪いの力で動かされていると言っていい。
他にも、モンスター達は何らかの"呪い"を背負って生きている。まぁ、人間だって"呪い"に縛られていないとは断言できないけれどね。
- 吸血鬼 Vampire
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本編第2章より引用
吸血鬼というのはほぼ不死身のモンスターだ。銀の弾丸、胸に杭・・・有名なように方法が無いわけじゃないが、能力・体力・手下の数。人間が村人全体束になったところで倒せる相手ではない。俺の城はそんなものは全て外してしまったが、通常吸血鬼の城にはトラップが仕掛けてある ――それも相当陰湿な―― から、寝込みを襲うのも不可。そもそも睡眠自体をあまり必要としない。
吸血鬼は大抵単独で行動し、それぞれにテリトリーを持っている。
彼らの狩り ―― つまりは人間を襲うということだが ―― は、運悪くそのテリトリーの中にある村や町に住む人間、又は、迷い込んできた人間が対象となる。獲物が逃げ出すか、もしくは狩り尽さない限り、吸血鬼自身がそのテリトリーから離れることはない。
世界三大怪物とも言われるぐらいだから、態々僕が説明しなくても参考文献は沢山あるだろ。だから一般的な吸血鬼について知りたいなら他をあたることだね。ここでは、「楽しき悪夢という話の中での吸血鬼」について説明する。
吸血鬼というのは、アンデッドの中でも格の高い部類にあたる。知能に魔力、身体能力が高いことも理由としてあげられるし、吸血鬼にはそれなりの家柄があるからね。多くが城のように大きな家に住み、テリトリー内の獣や他のアンデット達を従えている。譲りうけた時の事情はちょっと特殊だけど、アレックスの住んでいる城や手下だって、そもそもは彼の父親のものだったんだ。勿論、僕の住んでいる鏡も、ね。
一般論参考:Wikipedia「吸血鬼」
- 人造人間
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本編第1章より引用
近くで見ると、彼の顔を斜めによぎる大きな傷が目に付いてドキリとした。まるで千切れた人形を子供が縫い合わせたみたいに、酷く縫い目の目立つ大きな傷。襟が大きく開いていたので、胸元にも同じような傷があるのが見える。
愚かな人間の願望が生み出したモンスター。それが人造人間だ。人の体でありながら、人をはるかに超える能力を持つ。アンデッドとしては蘇生系で、しかも複数の死体を切り刻んで繋ぎあわせるという趣味の悪い状態で蘇生されることが多い。
よくフランケンシュタインとも呼ばれるけれど、フランケンシュタインというのはそもそも、人造人間を作った科学者の方の名前であって人造人間の名前じゃない。・・・まぁ、どちらにしろ、モンスターと呼んでも良いかもしれないけど。
人造人間を作る人間は頭の中が正常とは言い難い。人の死体を切り刻んでどうこうしよう、と考える時点で気分の悪くなる話だしね。フェイズを作り上げた人間は、もっと性質の悪い・・・最悪のタイプだった。何せ・・・いや、さすがにここから先は僕の口からでは言えないな。
一般論参考:Wikipedia「フランケンシュタイン」
- 狼男 Werewolf
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本編第1章より引用
まずは掲げられた腕。
一般論参考:Wikipedia「狼男」
肘から指先まで硬そうな獣の毛に覆われていて、人にしては大きすぎる手の指先には鋭くて長い爪が並んでいる。同じように、不敵な笑いを浮かべた口許にも牙がずらりと並んでいた。人の耳があるべき場所にはピンとたった獣の耳。猫の耳のように見えないこともないけれど・・・全体的に見て、あれはきっと犬科の・・・狼の耳だ。
そこまで考えが辿り付いたところで、私は背筋が粟立つのを感じた。
狼男・・・?まさか!!第一狼男って満月の夜にしか現れないんじゃなかった?
- ゴースト
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本編第2章より引用
実体がないのにどうして使用人として成り立つかと言えば、彼らが魔力を有しているから。彼らの魔力を持ってすれば触れられなくても大抵のことはできる。しかも、この城に無数にいるゴースト達の魔力をあわせたら、俺の魔力だって遥かに越えてしまうぐらい、彼らの力は強い。やろうと思えば、城一つをふっとばすぐらいは朝飯前だろう。
ただ、有り難いことにゴースト達は主に忠実だ。いつも無表情のため感情があるのかどうかは詳しくは知らないが、彼らは文句一つ零すことがない。彼らはこの城のいたるところで、城に住む者達の世話をする。食事、掃除、そして行きたい方向へと廊下の燭台の火を燈すことまで。
- ダンピール
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ダンピールというのは、吸血鬼と人間両方の血を受け継いでいる所謂ハーフだ。どうでも良いけど、美形が多いと聞くね。
吸血鬼としての高い能力を受け継いでいるが弱点は少なく、人間としての生活もできる。ただ、頻繁には必要ないけれど、たまには血を吸わないと生きていけないらしい。
彼らは人間として暮らそうとすれば吸血鬼の能力を恐れた人間に嫌われ、吸血鬼の仲間には裏切り者と謗られる。どちらの仲間にも入れてもらえない悲しい種族なんだ。故に、ダンピールの多くは高い能力を生かして、吸血鬼ハンターとなることが多い。だからこそ余計に、吸血鬼からは裏切り者と呼ばれてしまうんだけどね。
弱点は朝陽。そして、真水は飲めない。
- 真実の鏡
- アレックスの古城のとある部屋に置かれたアンティークの姿見。
- 北の魔女
- 呪い A curse
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本編第2章より引用
通常の魔法は、その場で発生し、その場で効力が終わる。だが、術者が離れても半永久的に効力が続くもの・・・それを"呪い"と呼ぶ。一時的な魔法に対して本格的な陣や道具、長い呪文の詠唱が必要だったり、かなりの魔力を要するなど非常に手間がかかる。だがその分・・・効果は絶大だ。術者が死んだところで、呪いの効力は解けない。
呪いと言うと、負のイメージが強そうだけれど別に悪い魔法だから呪いというわけじゃない。影響に持続性がある魔法を呪いと言うんだ
- 白魔力 spell
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本編第2章より引用
清める。そう言っても、何か堅苦しい儀式が必要なわけではない。
必要なのは・・・祈り。
純粋な魂が神を信じ、祈りを捧げることが、清めるということなのだ。
毎日祈りを捧げられれば、どうってことない物でも聖なる魔力を帯びる。特にそれが十字架とか聖杯とか、神聖なるシンボルならば可能性はもっと高いだろう。しかもずっと身に付けているものなれば。 - 黒魔力 spell
- 十字架
- 対価
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本編第2章より引用
基本的に、俺達に通貨は存在しない。ただ要求に見合う対価と交換という図式は同じだ。